© 2018 NUMATA Manabu

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●指名アリ
歌舞伎町をはじめとした東京のホストクラブの集合写真を撮影。


●界面をなぞる

目は口ほどにものを言うのか?とか
外見は内面の一番外側なのか?とか
たとえばその人の部屋とか持ち物は
脳みそとか内面の延長じゃないのか?
とか思いながら、
内面や気持ちなんて写真には絶対写らないので、
ひたすら正確に外側を撮ってみました。

 

●築地魚河岸ブルース

築地とか市場に抱くぼんやりとしたイメージを自分の目で確かめたいと思って河岸に通い続けた。
毎回同じ地点でその様子を覗き見し、シャッターを押すだけ。
青空、土砂降り、雪と変化する背景の中で、
人生が刻み込まれた沢山のいい顔がありました。
通うたびに好きになっていった、ここに集ういかした人たちをどうにか残しておきたくてこの写真を撮りました。

 

●Chaito! Cuba, Havana

日没少し前、急なスコールをビルの軒先でやり過ごしていたら、隣のアパートの奥から音楽が聞こえてきた。
その音の響きにつられ、半分しまった薄暗いシャッターの前で耳をそばだてていると、おじいさんに呼び止められた。
「孫のバンドがガレージで練習中なんだよ、見ていく?」
僕はもちろん「見たい、聴きたい!」と答え、中へと案内された。
キューバにやってきたのは、ラテン音楽が好きだったのと、アメリカと至近距離にありながら資本主義的文化が全く無いという国に興味があったからだ。
練習していたのは、10人編成で大所帯の若いバンド。音は、伝統的なサルサにHIPHOPを足したような、日本では生まれえないようなものだった。
バンドリーダーと片言の英語で話してみると、「本当はエミネムが一番好きなんだ」「日本のマンガ・アニメ大好き」と、日本から丸1日かけてたどりついた社会主義国で聞くには、本当に意外な言葉ばかりだった。
アメリカとの国交が回復したら、20世紀の国家のノスタルジーがそのまま残るこの国が、ありふれた風景へと変わってしまう、なんて僕ら一介の旅行者は勝手なことを思うけれど、現地で生きる人たちの心情は僕達には知る由もない。

​●​​赤線
写真の特性の中で自分が一番惹かれる点は「記録性」だ。
カメラのレンズの冷徹な視線はいつも人の想像を超えたものまで写しとってしまう。
江戸時代、遊女が身に着ける衣装や髪型は、最先端のファッションとして一般市民に受け入れられた。また、恋街の人間模様は歌舞伎など芸能のインスピレーションの素となり、この頃全盛期だった吉原は、最新文化の発信地でもあった。
江戸幕府公認のもと作られたこの赤線地帯は、今現在も存在しているものの、新規の出店は法律
により制限されている。
この先、店の数が増えることは考えにくく、おそらく徐々に減少していくだろう。
現存しているこれらの建物は今から30~40年前のもので、劣化、老朽化が激しい。
建物の外見、部屋の様子、使用される器具や調度品は、江戸時代から脈々と続く独特の美意識が貫かれているようにも感じる……が、正直なところそれが事実かどうかは、これらの写真だけでは分からない。
この写真の被写体や、意図せず写ってしまった細部が50年後100年後の人たちの歴史研究資料の一部になれば良いと思う。